パンライトは優れた機械的特性、広い使用温度範囲および寸法安定性を生かし、広範な分野で使用されています。
ここではパンライトの製品設計における、デザイン上注意すべき点を数例あげて説明します。
成形品の肉厚は、通常1~4mmですが、偏肉があった場合、肉厚部に表面のヒケや、 中心部に気泡が発生することがあります。
したがって、肉厚部はリブ構造を採用したり、また、肉厚の急激な変化は避けて、できるだけ均一な肉厚になるよう設計してください。
肉厚についての設計上のポイントは以下の通りです。


肉厚の設計を避けるため、リブ構造を用いてください。リブ構造は製品補強にも有効です。
リブ構造の設計上のポイントは以下の通りです。



スプルの形状は、成形品および成形する成形機の大きさによって異なります。
標準的なスプル形状を下図に示します。

ランナーの形状は、成形品および成形する成形機の大きさによって異なります。
ランナーの長さは、できるだけ短くしてください。
ランナーが分岐する場合、ランナーバランスを取って下さい。
また、分岐する箇所および屈曲部には必ずコールドスラッグウェルを付けてください。

ゲート形状及び位置は、樹脂が十分充填でき、成形品の切り離しが容易で、仕上げが簡単にできるよう考慮してください。
パンライトに使用される標準的なゲート形状とその設計例を示します。





パンライトは荷重たわみ温度(HDT)が高く、強度があるので成形品の突出しは容易ですが、無理な突出しを行った場合は内部歪が発生し問題となる場合があります。
この対策として、エジェクターピンの位置、数はできるだけ成形品を均一に突出しできるよう設計してください。
エアーベント(ガス抜き)は、ショートショット、ガス焼けの解消のために、必ず設けてください。
エアーベントは、最終的にガスが追い切られる場所、ランナー末端やショートショット、エアーポケットが生じやすい場所に設けてください。
ベントの深さは0.03~0.05mmで、パーティングラインに設ける場合、幅は5~10mm程度が一般的です。また入れ子の隙間やエジェクターピン部にもベントを設けてください。
組立時の変形量Yによる歪係数αが下記の値以下になるように、また組立後の変形量が殆ど0になるようにして下さい。
組立時の変形による歪係数αは片持梁の構造計算式より求められます。
応力集中によるクラック発生を防止するために、各コーナーに十分なRを付けてください。
繰返し荷重のかかる場合には歪係数αの値ではなく、繰返し疲労(曲げ)のデータを参考にして下さい。

パンライトは非常に強固な金属のインサートが可能です。
ただし金属の熱膨張係数とパンライトの熱膨張係数が異なるため、冷却時の収縮に差異を生じて歪が発生し、インサート部分にクラックが発生する場合があります。
パンライトに金属をインサートする場合、インサートする金属を200℃くらいに加熱して成形する事により、冷却時の収縮の差が少なくなり、クラックの発生を防止することができます。
なお、インサートボス部の設計は、インサート金属の外径をdとして下さい
